変じゃないブログ

なんかいろいろ。へんしゅうぎょう。ツイッターは@henjanaimon

パンツ(排泄物)売りの少女だった頃の話❷

「生出しでウン◯」もしかしたら、この言葉の意味がわからない人もいるかもしれない。というか絶対いるので説明すると、文字通り(?)「生中継で出された◯ンコ」のことである。訳すると、「心優しいJKさん、どうか僕の目の前でウ◯コをひり出してください。流さず買いますので」という意味の書き込みだった。

快楽天を読んでいた学のある私は、そのような性癖の方がいることには怯まなかったが、生脱ぎや生出しはつまり、中年男性と個室でふたりきりになることを意味する。往来でJKがパンツを脱いだり、ウンコをしていたらさすがに横にいる中年男性はお縄になるからだ。ちなみに、パンツを売っていた頃の私は、ツルッツルの処女だった。(処女喪失の過程はこちらhttps://henjanaimon.hatenadiary.jp/entry/2020/02/19/010926をお読みください。相手は植物物語のトラベル用シャンプーボトルです)

中学生の頃、一時期だけ仲間にハブられたチョイ悪ギャルのKちゃんと一緒に行動していた私は、Kちゃんに言われた「初めては好きな人のためにとっとかないといけないよ」という言葉を忠実に守っていた。中学生の自分は頭を下げても誰もセックスしてくれない容姿だったことは置いといて、悲しそうな目をしながらKちゃんが言った、その言葉を守らなければいけないという忠誠心が私にはあった。中年男性と個室でふたりきり。それ即ちセックスを意味すると、快楽天を読んでいた私は反射神経で理解していた。でも私には、自分の自己肯定力を高めてくれるおじさんたちに、最高のサービスを届けねばという使命感もあった。「生は無理ですが、タッパーなどに入れてお渡しはいかがでしょうか?」私はその男性にレスをした。すぐに、私の捨てアドにその男性からメールが届いた。

「お願いします」

交渉成立の瞬間だった。

 

南海難波駅エスカレーターを上がったところで私を待っていたその男性は、今まで見た男性の中でも、ナンバーワンというぐらいのガリガリだった。その後判明する、男性がしていた事を思うと納得の体系だったが、まだ深淵をのぞいていない私は「ガリガリだなあ。ガリガリなのに奥さんが作ったっぽいお弁当袋を鞄と違う手に持ってるなあ。お弁当が少ないのかなあ」などと思いながら男性に声をかけた。

待ち合わせ相手である中年男性に声をかけたとき、彼らはみんな同じ顔をした。「待ってました!」と「恥ずかしいナ」が入り混じる、少し切ない表情。そのガリガリの男性は少し違っていて、目を見開きやたらハイテンションに「どーもどーも!」といったリアクションを返してきた。快楽天を読んでいる私も、この時ばかりは「そんなにウンコが待ち遠しいのかよ」と少し苦々しく思えるリアクションだった。

約束のブツ(ウンコ)を手渡すと、その男性は私の指示通り、中にお札が入ったポケットティッシュを渡してくれた。それ以上言葉を交わすこともなく、私たちはその場を後にする。公共の場で中年男性と若い女が親しげに話していると、両方にリスクがあるので、その場では必要以上の言葉は交わさない。コミュニケーションはすべてお互いの捨てアドでとる。売買の基本だった。

その日の深夜、男性からメールが届いた。他の男性は照れ臭さからか、「今日はありがとう!助かりました」といったようなNot下ネタメールを送ってくるのが基本だったが(なにが助かったんだろうか)、その男性からのメールは、一味も二味も違った。遥か昔のことなので記憶も朧げだが、覚えている限り再現してみる。

「先ほど風呂場でとっても興奮しました。僕の顔を◯◯さんがまたぎ、◯◯さんのオシリからみるみる溢れてくるウンコ………僕は抵抗できずにウンコまみれになり、◯◯さんの恥ずかしいところを舐め回す…射精しちゃいました。またお願いします」

驚きのあまり、ガラケーを見つめ私は固まった。送られてきたのは、彼と私(のウンコ)の夢小説だった。一瞬、理解が追いつかず混乱したが、「自分はこのようなシチュエーションを体験したんだ!」という妄想を、文章化したものらしい。

何度も言うが、私はこの時ピッカピカの処女だった。高1のころ、声をかけられた男性に無防備についていったらカラオケの中で口淫をせまられ、仕方なく従ったことはあったが、その時ですら嫌悪感で帰宅する際涙したほど、ピュアな女子高生だった。それが、こんな、いきなり、男性の性欲の底の底を見せつけられたのである。固まるのも無理はない。震える手で私は返信を打った。「喜んでいただけてよかったです☺️またお願いします✋💕」

私はすでに、ホスピタリティの鬼と化していた。